vendredi 1 février 2013

The perceiving brain

今回は視覚がテーマ。視覚は五感の中で最も研究が進んでいる。目が外の世界を捉えているそのままをわれわれは見ていると思われているが、脳により意味を持つ像に作り変えられている。外界の像が忠実に伝達されているのではなく、その情報が脳により再解釈されているのである。
外界からレンズを含む光学系を介して取り入れた情報は網膜の神経細胞にある一億個の光レセプターにより処理され、視神経束に集められる。そこから視床(thalamus)にある外側膝状体(lateral geniculate body)を中継点として、最終的に後頭葉にある視覚野へと投射されている。この過程にはヒエラルキーがあり、視覚野に向かうに従い情報がどんどん複雑に なっている。これが第一の特徴。 
第二の特徴は、外界の認識に関わる領域が限局されていること。例えば、顔の認識にしている領域が侵されると、他のものはすべて認識できるが、自分の顔も見えてはいるが認識できなくなる。場所や景色の認識に関わる領域が侵されると、すべて見えてはいるが自分がどこにいるのかわからなくなっている。
先天性白内障の子供が術後にものを見た時、すべての辺縁を同じように認識するため物体と影との区別がわからなくなっている。しかし、10代以上で手術しても視覚が回復するので、高い可塑性(plasticity)がある。ただ、斜視の場合には臨界期があり、動物実験で生後完全に光のない状態で育てると視覚の回復は難しいという。大部分の白内障の子供の場合には光が入っているために回復するのではないかとのこと。 
ゲシュタルトの認識の例として使われるダルメシアン犬も出てくる。白地に黒点しか見えないところから総合的に判断して、そこに犬の後ろ姿を認識することができる。部分の認識ではなく、全体を総合してそこから意味あるものを抽出する能力をわれわれの脳は持っているという主張である。




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