lundi 17 mars 2008

フランソワ・ダゴニェさんを聴く (2)


ダゴニェさんのインタビューを読みながら、この分野について学ぶと同時に、そこで触発される考えをこれから何回かに分けて綴ることにしたい。

医学の哲学は紀元前4世紀にヒポクラテス(ca. 460 BC- ca.370 BC)がその基盤を創った。そこでは医術の目的、すなわち治癒や医学の進歩の性質について初めて検討された。その伝統が19世紀に及んでオーギュスト・コント(1798-1857)などの思想家やフランソワ・ブルセ(François Broussais, 1772-1838)などの臨床家が病気を理解しようとすることになった。

20世紀に入っても病気について再考され、医術の本質や医者と病人との関係が考えらえるようになった。また、疫学が感染症などの集団における危険性を明らかにするに及び、病気と社会的要因が不可分の関係にあることを理解することが重要になってきた。

Louis Chevalier (1911-2001), Classes laborieuses et classes dangereuses (1958, 1978)

19世紀の終わりから20世紀にかけて、二つの流れが出てくる。一つはドイツ生理学の流れで、フランスではフランソワ・マジャンディー(1783-1855)やクロード・ベルナール(1813-1878)がそれに当たる。この学派は、病院に付属する基礎医学を研究する実験室や研究所の重要性を強調した。もう一つの流れはルネ・ラエンネック(1781-1826)からクサヴィエ・ビシャ(Xavier Bichat, 1771-1802)に至る臨床家によるもので、彼らは病人の体を「読む」ことの学びことを目指した。

ミシェル・フーコー (1926-1984), Naissance de la clinique (1963) (『臨床医学の誕生』 1969)

病 人の体の兆候を読む流れはフランスの記号論の流れでもある。しかし、客観的であろうとする技術的な流れが、医学的な視点である患者の声、精神状態、生の経 験を聴くというやり方を圧倒することになる。それは患者の声を超える解析装置が齎す結果に対する自信に裏打ちされたものであった。




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