これまで読んだ日本人によるフランス文化、さらに広めれば西欧文化に対する批評にはどこか特徴があるように見える。それは肩ひじを張り、自らの考えを押し通
すために対象を意識的に下位に置こうとする姿勢とでも形容すればよいものだろうか。その考えを国際的な場での評価に晒そうという開かれた意識はなく、あく
までも国内で通そうとするためにやっているように見えたのである。すぐ横にいる人間について話しているという自然さが見られないのである。その背後には西
欧文化の蓄積がないというコンプレックスのようなものがあるのかもしれない。そのような状態なので、紹介されているこちらの方もとっつきにくい印象しか残
らなかった。
それが変わったの
は、こちらに来てこれまで紹介されていた対象をこの目で見、彼らの言葉で読むようになってからである。それは、対象を物のように扱うのではなく、隣にいる
人間に対するような心で接することができるようになり始めていることと関係がありそうである。このような姿勢をこれからも続けていけるとすれば、何かが大
きく変わるのではないだろうか。
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