dimanche 25 novembre 2012

神戸大学と免疫学会での講演予定


今回の日本滞在では、以下の2つの講演をすることになっている


 「哲学から見たこれからの科学」
"Science for the 21st century -- A view from philosophy"
先端医学トピックス」 シリーズ
神戸大学大学院医学研究科
(2012年12月3日 17時~)


免疫を説明する
"Explaining immunity"
第41回日本免疫学会学術集会
関連分野セミナー
神戸国際会議場
(2012年12月6日 13時~)


科学や免疫学を哲学の視点から見直した時に見えてくる景色について語る予定である

そこから広がるこれからの知のあり方についての現時点での考えにも触れてみたい

さらに考えが熟して来ることを期待しての試みになる



jeudi 8 novembre 2012

メタフィジークについての言葉


MK2のリブレリーでのこと、題名が隠れた小さな本を見つけ、取り上げる

どこかに繋がる扉がそこにあるのではないかという、いつもの期待とともに

そこにあったのは、アンドレ・コント・スポンヴィル(André Comte-Sponville, 1952-)さんの La philosophie

クセジュで『哲学』として訳されている

ざっと目を通しただけだが、哲学の捉え方がしっくりくる

 こちらに来てから気になっているメタフィジークについて、こんなことを言っている



哲学するとは、知り得ることを超えて考えること

形而上学をするとは、考え得る限り、考えなければならない限り考えること

知っている以上のことを言わないのだとしたら、哲学を諦めて科学をやるしかない

知り得ることを対象にするのが科学で、知り得ないことを対象にするのが形而上学だからだ

 哲学を止めることは、科学がわれわれに何を教え、何を知らせないのかについての自問も拒むことになる

メタフィジークの放棄は、何ものも齎さないのである




mardi 6 novembre 2012

メタフィジーク、あるいは不可能への愛


哲学が何たるかも知らずに、あるいはそれが故にこの領域に入ってきて早5年が過ぎた

科学の領域に浸りきっていた時、わたしの辞書には哲学という言葉はなかった

最後になり浮かび上がってきた「形而上学」という言葉

その時、この言葉が一体何を意味しているのかのイメージさえ湧かなかった

そもそも科学と哲学がどのような関係にあるのかも漠としていたのだ


思考だけの世界、メタフィジークの世界とはどんなものなのか

科学という具体的な世界にいたためか、それまで見たことのない世界に興味を覚えたのだろう

それまで使ったことのない頭の部分を使ってみたくなったのかもしれない

もちろん、科学においても思考に重点を置く道はあるだろう

しかし、現代ではその実践は困難を極める


5年という短い時間ではあるが、以前に比べるとイメージがはっきりしてきたように見える

これまで科学についてリフレクションする哲学をやってきた

比較的具体的な対象がそこにあるので、科学をやっていた者にとっては入りやすい

そこから先はこれからの問題になるのだろうが、、、

哲学と言えども専門化が進んでいる現在、他の領域でも状況は同じではないだろうか

そこでは哲学本来の営みであるすべての学問を包み込むことが難しくなっているように見える

それを目指すのが、おそらくメタフィジークという領域になるのだろう


先日のこと、もう4年前になるマスターの時のカイエを読み返していた

その中に、記憶には残っていないこんな言葉を発見した

「メタフィジークとは、不可能への愛である」

本質を言い得ているように見える

力を与えられるような言葉でもある


今、専門の哲学に身を置いているが、そこを超えようとする不可能への愛はまだ燃えている




lundi 5 novembre 2012

日本免疫学会ニュースレターのエッセイ

Pr. Alain Prochiantz
Collège de France)


本日、日本免疫学会から新しいニューズレターが届いた

その中に、以下の小さなエッセイを書いている


JSI Newsletter 21(1): 32, 2012

 お暇の折にでもご一読いただき、ご批判をいただければ幸いです