jeudi 12 décembre 2013

パリから見えるこの世界 (11) 「ダーウィンのパンゲン説,あるいは科学が求める説明」



雑誌 「医学のあゆみ」 に連載中の 「パリから見えるこの世界」 の第11回エッセイを紹介いたします

医学のあゆみ(2012.12.8) 243 (10): 929-933, 2012

ご一読、ご批判いただければ幸いです






mardi 10 décembre 2013

進化医学と適応主義について聴く

Dr. John Matthewson 
(Massey Univ, New Zealand & Univ of Sydney, Australia)


進化医学の現状、より正確には問題点についてのお話を聴く

進化医学のことを聞いた10年以上前、新しい視点が生まれていることに少し興奮した

しかし、よく読んでみると、その説明が殆ど後付けに見えたのだ

つまり、今ある状態(形質)は最良の適応の結果であると考え、そこから理由付けをするのである

この分野の言葉で言えば、適応主義(adaptationism)を採用していることになる

これが度を過ぎると、しばしばその証拠もなしにどんなことでも説明できることになりかねない


進化医学には20年ほどの歴史がある

確かに、抗生物質の耐性や癌の進化には貢献があった

しかし、その後の経過を見ると過度の適応主義が蔓延っているとの批判的分析が出されている

それは進化医学の考え方が間違っているというよりは、やり方の問題だとジョンさんは考えていた

さらに、医学の現場への還元や新しい研究プログラムが進化医学から出ているのかという問題もある

メカニズムに基づく説明に優る歴史的な説明は可能なのだろうか

そして、そのための証拠を集めることができるのだろうか

この辺りの問題が総合的に論じられていた


個人的な印象は、これからの道はかなり厳しそうだというもの

セミナー後にお話を伺ったところ、同様の感触をお持ちであった

しかし、これからの進展をしばらくの間見守りましょうというとことで落ち着いた