魂とか精神とか心などと訳される二つの言葉、âme と esprit
この違いに興味を持ったのはフランス語を始めて数年経った頃
週末通っていた学校の若いフランス人教師に聞いてみたが、はっきりした違いはわからなかった
その後の経験から漠然とでき上がった解釈では、こうなる
âme がより原始に近い霊魂という含みがあるのに対し、esprit は啓けた精神というニュアンスがある
では、哲学的にはどう見られているのか
手元にある小さな哲学辞典に当たってみた
âme の語源はラテン語の anima で、息、風のそよぎ、生命原理などの意がある
一方の esprit も語源に返れば、spiritus で息吹き、spirare で呼吸するとなり、生きることに繋がる
âme は体に形を与え、動かすもの
プラトンによれば、そこは情念のあるところで、牢獄にいるように体の中にあるもの
イデアの世界に関与している
一方のアリストテレスは、体と密に結び付き、体に形と生命、感受性、欲望、人間には理性と思想を与えるものと考えた
さらにデカルトになると、それは生命原理ではなくなり、体とは別に思考をするものとされる
思考という行為(le cogito)により、人間が主体となったのである
それでは esprit はどう考えられているのだろうか
プラトンが âme を操縦するのが esprit と考えたように、古代ギリシャでは esprit が âme の上位に置かれていたようだ
ベルグソンなどは esprit は物質には還元できいないと考えていた
しかし、最近では esprit の状態はニューロンの活動に還元されるとの考えも出されている
精神と物質、心と体の問題は古くて新しい大きな問題である
これからは科学の成果にも目を配りながら、考えを深めていく必要があるだろう
この違いに興味を持ったのはフランス語を始めて数年経った頃
週末通っていた学校の若いフランス人教師に聞いてみたが、はっきりした違いはわからなかった
その後の経験から漠然とでき上がった解釈では、こうなる
âme がより原始に近い霊魂という含みがあるのに対し、esprit は啓けた精神というニュアンスがある
では、哲学的にはどう見られているのか
手元にある小さな哲学辞典に当たってみた
âme の語源はラテン語の anima で、息、風のそよぎ、生命原理などの意がある
一方の esprit も語源に返れば、spiritus で息吹き、spirare で呼吸するとなり、生きることに繋がる
âme は体に形を与え、動かすもの
プラトンによれば、そこは情念のあるところで、牢獄にいるように体の中にあるもの
イデアの世界に関与している
一方のアリストテレスは、体と密に結び付き、体に形と生命、感受性、欲望、人間には理性と思想を与えるものと考えた
さらにデカルトになると、それは生命原理ではなくなり、体とは別に思考をするものとされる
思考という行為(le cogito)により、人間が主体となったのである
それでは esprit はどう考えられているのだろうか
プラトンが âme を操縦するのが esprit と考えたように、古代ギリシャでは esprit が âme の上位に置かれていたようだ
ベルグソンなどは esprit は物質には還元できいないと考えていた
しかし、最近では esprit の状態はニューロンの活動に還元されるとの考えも出されている
精神と物質、心と体の問題は古くて新しい大きな問題である
これからは科学の成果にも目を配りながら、考えを深めていく必要があるだろう