lundi 23 juin 2008

病理学では扱わない 「病理とは」 という問い


手元にある病理学の教科書 Robbins Pathology の病因 (Etiology or Cause)のところに、次の記載がある。
"For the Arcadians, if someone became ill, it was the patient's own fault (for having sinned) or the makings of outside agents, such as bad smells, cold, evil spirits, or gods. For modern terms, there are the two major classes of etiologic factors: intrinsic or genetic and acquired (infections, nutritional, chemical, physical).
The concept of one etiologic agent to one disease (developed from the study of infections or single-gene disorders) is no longer sufficient."
病気には内因性と外因性のものがあるということが紀元前の大昔からわかっていたという記述である。日本にいた時には、『病理学総論』 の環境や外因による疾患に関する章を受け持ったこともある。今哲学に入り、病理学の教科書でどの程度哲学的な要素が扱われているのか、Robbins を改めて見直してみた。改めて、と書いたが、このような視点で教科書を見るのは初めてになる。

この教科書は1,000ページを優に超えているが、病気とは何なのか、病理とは何なのかについて触れていると思われるところは、僅か半ページほどである。そ のことに驚いたが、現役の時にそう感じたことは一度もなかった。つまり、病理学にそのような期待はしていなかったと同時に、病理学の視野にはこの問題は 入っていないことになる。やはり、この問題を扱うのは哲学に任されているのかもしれない。その意味では両者の交流が不可欠になるが、哲学の方がどれだけ進 んでいるのか、今の段階ではよく分からない。




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