vendredi 3 décembre 2010

この夏に感じたある違和感


Prof. David Baltimore (Caltech, USA) at Kobe (2010)


今年の夏、あの暑い夏、科学の現場に触れるとともに旧交を温めるため、神戸で開かれた国際免疫学会に参加した。その初日に基調講演があった。演者は当代随一と考えられているカリフォルニア工科大学のデビッド・ボルティモア氏。1938年3月生まれなので今年72歳。37歳でノーベル賞を受賞してから今日まで研究の第一線で活躍されている。その彼が基調講演をするということもあり、免疫学という学問について科学あるいは科学を超えた壮大な視野からの眺めが見れるのではないかと期待していた。しかし、お話は現在彼が取り組んでいる micro-RNA の免疫における役割について終始した。正直なところ、少し残念に感じた。そもそも科学者にはそこまで求められていない、むしろ科学の外の世界の話は避けるべきという暗黙の了解があるのかもしれない。若き現役の研究者として聞いていたとすれば、あの年齢まで創造的な活動を続けていることに感動したのかもしれない。しかし、今の感受性は大きく変わってきている。研究者としての活動はわかるが、それを超えたところからの話が出てこなければ満たされないものを感じるようになっている。自らが行っている営みについて、広い視点から分析を加えるという精神運動をそれぞれの科学者の中に見たいと思っているのかもしれない。師走の一日、この夏に感じた違和感を思い出し、書き留めることにした。


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