jeudi 20 mars 2008

フランソワ・ダゴニェさんを聴く (5)


フランスの科学史、医学哲学の特徴

フランス医学だけではなく、ジョルジュ・カンギレム(1904-1995) に代表される医学哲学にも特徴がある。カンギレムは検査や生物学的解析が患者の体を忘れてはならないと考えていた。すべての病気は体全体の反応を生み出 し、別の規範に適応するように変化していく。一つの変化に侵されるのではなく、病気により新しい生体が生み出されるのである。

カンギレムは「客観的な病理学はない」というのが口癖だった。彼は臨床の重要性を理解していたのである。フランスの伝統である患者の経験を大事にすることとその声を聴くことを高く評価し、milieu intérieur の概念とともに生理学を打ち立てたクロード・ベルナール(Claude Bernard, 1813-1878)とその病気の概念に興味を持っていた。ベルナールにとってのオーガニズムとは、外界とその不確実性から逃れ、できるだけ変動の少ない 状態を自ら作る存在である。ベルナールが研究した糖尿病においても、単に膵臓を侵すだけではなく、循環系にも関係する。オーガニズムの全体が病気の影響を 受けるため、患者を聴かなければならないのである。病気になるとは、自由を失うこと、可能性が狭まり、依存の中に生きることである。

病理学はオーガニズムの中で想像もできなかった関係を明らかにしようとする。19世紀の著名な内科医、ジャン・バティスト・ブイヨー(Jean-Baptiste Bouillaud, 1796-1881)は、リューマチの症状(膝、関節)と心臓病との関係を指摘した。ジョゼフ・バビンスキー(Joseph Babinski, 1857-1932)は脳と足親指の間に足底反射があることを示したが、それは解剖学的ではない体を読むことである。





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