まず第一に、国際的な移動をする人の数が年々増えていることを指摘。
それから、具体例として砂漠の砂の移動をあげていた。サハラ砂漠、北アフリカの砂がイタリア方面に運ばれ、その中には微生物が大量に見つかっている。感染症だけではなく、喘息の増加も指摘されている。日本であれば黄砂の影響。
2002年の全人口における死因を見ると、心血管系疾患が29%、感染症19%、がん13%、呼吸器・消化器系疾患10%となっている。
しかし、5歳以下の小児を見ると、新生児期の病気37%、急性呼吸器感染症19%、下痢性疾患17%となり感染症の割合が増している。
John Snow (1813-1858)
1854年、ロンドンでコレラが大流行したが、ジョン・スノーはその伝搬が水によるものと特定し、公衆衛生の歴史に大きな足跡を残した。疫学の父とも言われる。その際に、彼は現場の人との話、ロンドンの地図と統計を用いてコレラ発生が水道ポンプの位置と一致することを明らかにした。コレラ菌の発見はその30年後の1883年にコッホによるとされるが、実際には1854年にイタリア人医師フィリッポ・パチーニ(Filippo Pacini, 1812-1883)によって記載されている。その間無視されていたようだ。
世界の国別コレラ発生を見ると、例えばアフリカのモデル国であっても、政情が不安定になり公衆衛生が等閑にされると一気に広がる。また地球規模の環境の変化が病気の発生を決めることがあるので、ジョン・スノーの地図として、今はサテライト映像を利用して海水温度や海水レベルなどをモニターしている。病気が社会や環境により決められている一例だろう。
シエラ・クラブの創設者、ジョン・ミューアの 「自然の中にあるすべてのものは全宇宙と繋がっている」 という言葉を紹介していた。ディスカッションの中での発言からいくつか。ヒトのメタジェノミクスがNIHで始まったところだが、環境の広範なメタジェノミクスも必要になる。水が汚染されたままでワクチンを投与しても効果は見込めない。むしろ、きれいな水の方がワクチンより効果があり、濾過器(ナノテクノロジーによる)の普及が必要になる。
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