今日のル・モンドより。
レンヌの高等公衆衛生研究所 (Ecole des hautes études en santé publique: EHESP) の疫学者で所長の アントワーヌ・フラオ (Antoine Flahaut) 氏は、フランスの35%が感染することになり、その結果30,000人が亡くなる可能性があると発表した。
このシナリオによると、ピークは夏以降に来る。季節性インフルエンザの場合には、年に6,000人が亡くなっているという。これを聞いた健康大臣ロザリン・バシュロ氏は、France 3 で以下のように語った。
「それも一つの可能性でしょう。しかし、今は医学の専門家が将来の可能性について検討している最中です。これから冬を迎える南半球の状況を監視する必要があります。それによって、北半球が冬になる頃の状況を予想することができるでしょう」
フラオ氏はさらにこう語っている。
「今回の場合は 、SARS の時にように感染した人のすべてに症状が現れて入院することにはならないでしょう。感染者の半分は症状を出さないと思います。また、少なくとも4,000万人が亡くなった1918年のスペイン風邪の状況よりは、むしろ1968年の香港風邪と似た状況になると考えています。現在のところ、感染は外から入ってきたものだけですが、症状の出ていない国内の人から感染が広がるとしても驚きません。集団で見ると大きな脅威ですが、個人のレベルでは普通のインフルエンザと変わりありません」
「WHOは5月14日にワクチンについて発表するはずです。季節性インフルエンザで見られた北アメリカのH1N1株に対するものにするのか、パンデミックに対応したワクチンにするのか決めなければなりませんが、後者の開発にすべきでしょう。今回のウイルスは極めて競争力が強く、他の株を追い落としていくからです。1月には地上にはH1N1株しかなくなっているでしょう。各国は適切な対策を講じなければなりません。なぜなら全員に行き渡るワクチンはないからです」
L'épidémie de grippe A pourrait tuer 30 000 personnes en France (Le Monde, 12 mai 2009)
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