samedi 31 janvier 2009

これからのテーマを決めて

このブログを始める時には、医の哲学、さらには倫理の方に傾いていくのではないか、あるいはその方向に進みたいと思っていた節がある。最初の記事からもそれが感じられ、重要な問題であることも分かっている。それまでマスター2年目のテーマとして漠然と考えていたものにも関係していた。

しかし、そこに至る前に医学における科学の側面をもう少し突き詰めて、ばらばらに散らばっているものを統合することにより新たな視界が開けてこないだろうかという思いが強くなってきた。それは大学に研究テーマを提出しなければならないことになり、自分の中で考えてみたい問題として一気に固まってきたものである。このまま置き去りにはしたくない問題として捉えられたのだろう。未だ方法論が見えないので、ゆっくりとした歩みになりそうな予感がしている。




vendredi 30 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (14)

5 février 2008

Jean Gayon "Synthèse des travaux"

- origin of life
- definition of life: operational, philosophical activity

 essentialism "What is x?"
 not define words but propose a hypothesis and explain through the hypothesis
 All definition is provisional.
 Why should we bother with definition?
  Just talk about it, but not define it. This is not enough?

historical vs. nomological science
 science based on the law vs. science based on the data historically unique
 Is there a borderline between philosophy & science? NO!



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19 septembre 2013

このコロックのまとめが発表されている

SPECIAL ISSUE: DEFINING LIFE 
Guest Edited by Jean Gayon, Christophe Malaterre, Michel Morange, 
Florence Raulin-Cerceau and Stéphane Tirard

 Origins of Life and Evolution of Biospheres 




jeudi 29 janvier 2009

ダーウィン生誕200年、「種の起源」出版150年周年



2008年 10月 21日

不思議な感じがしている。この夏に偶然入った書庫で学生時代に読んだダーウィンの伝記を見つけ、パリに戻ってから彼の自伝で貴重な言葉を見つけ、アメリカ時代の恩師EAB先生はダーウィンのような科学者を目指していたことを思い出した。そして大学のマスター2年目のクールはダーウィンを中心に据えた進化についてと遺伝についてで、ダーウィンの占める位置が大きい2つになっている。前期はダーウィンを中心に回りそうである。さらに振り返ってみると、こちらに来る前に読んだエルンスト・マイアの1961年の論文で、 機能的な生物学と進化の視点から見る生物学という分類に触れ、それまでの科学の歩みに抱いていた不全感の理由がはっきりとわかるようになった。すべてダーウィンがらみになる。ある現象の訳を、意味を知りたいと思ったら、進化の目が必要になる。「意味」の中味はいろいろあり一言では論じられないのだが、、。これからしばらくの間、ダーウィンについて触れることになりそうである。ところで、来年はダーウィンの記念すべき年になっている。すべてが絡み合っているようだ。


ケンブリッジ大学の祭典サイト
 "The Festival" Cambridge, 5–10 July 2009




mercredi 28 janvier 2009

Darwin の試みたこと


2008年 09月 19日

来年はダーウィンの「種の起源」が1859年に発表されて150周年の記念の年になる。先日、手に入れたダーウィンの自伝(仏版)を読み始めると、ダーウィンの孫娘、ノラ・バーロー Nora Barlow さんが1958年に書いた序言に行き当たった。その中に私の心に響く言葉があった。それは以下のような言葉である(下線は私による)。

« L'Autobiographie montre comment il en vint à changer le cours entier de la pensée victorienne, non pas en proclamant ses découvertes ou par un iconoclasme soudain, mais plutôt en cherchant à comprendre et à juger avec pondération, ouvrant ainsi un vaste champ à la recherche ultérieure. »

「この自伝には、彼がヴィクトリア朝の思想の流れ全体を変えるためにどのように取り組んだかが書かれてある。それは発見を誇示したり急激に偶像破壊したりするのではなく、理解しようとし、冷静に判断しようとすることによって行われた」

ダーウィンがやったこのことこそ("chercher à comprendre et à juger avec pondération")すべての科学者に求められているのだろう。ある意味ではこれこそ哲学的な営みであり、これからの私にも大きな勇気を与えてくれる言葉である。

原文を調べると以下のようになっている。

“The Autobiography shows how it was that he altered the whole course of Victorian thought, not by blazoning his discoveries nor by sudden iconoclasm, but rather through searching insight and pondered judgments opening up vast fields for further research.”

この原文を最初に読んでいたら、今の私であれば読み過ごしていたかもしれない。フランス語で触発されるところ大なのである。



mardi 27 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (13)

5 février 2008

Michel Morange "The resurrection of life"

Themes
1. Death & resurrection of life
2. The question of life has a place in science?
3. Definition of life

1. Death & resurrection of life


 1953: Watson & Crick "We have discovered the secret of life."
 1962: Ernest Kahane "La vie n'existe pas!"
 1970: F. Jacob "Life is no longer a question in the lab."
   J. Monod "The secret of life was inaccessible, but today it has been unveiled."
 1998: Stanley Shostak "Death of Life"

Reemergence of the question of life
 1) fading of the informational vision
 2) RNA world
   2000: T. Cech, The ribosome is a ribozyme. Science 289:878
 3) new researches in Science (bioinformatics, systems biology, etc)
 4) rise of astrobiology
 5) studies of artificial life

 2000: E.F. Keller "The century of the gene"
 1948: Warren Weaver, Science & complexity. American Scientist 36:536
 Lynn Margulis: no satisfactory or broadly accepted definition of life

2. The question of life has a place in science?


 M. Foucault: "Life itself did not exist in the 18th century."
 (Les mots et les choses)
  Demarcation between living and non-living is a product of human thinking rather than of evolution
 2002: EF Keller, "Making sense of life"

 2003: James Lovelock, Gaia: The living Earth. Nature 426:769-770
 Gaia=organisms & their environment evolve as a sigle, self-regulating system

 2004: Royal Society Meeting 'The molecular basis of life: is life possible without water?' Phil. Trans. R. Soc. Lond. B 29 August 2004 vol. 359 no. 1448

3. Definition of life

 1992: Harold J Horowitz "Beginnings of cellular life"
 Gerald Joyce
  Life is a self-sustaining chemical system,
  with a capacity to reproduce and undergo Darwinian evolution
  with a complex macromolecular structure 
  with internal informational representation

 Exobiology, an overview on life

 Alexander Oparin (1961): 6 properties
  1. Capability of exchange of material with surrounding medium
  2. Capability of growth
  3. Capability of population growth
  4. Capability of self reproduction
  5. Capability of movement
  6. Capability of being excited

 M.Morange: It is important to think about life for attracting young people into science and for establishing the proper relation between scientists and laymen.




lundi 26 janvier 2009

ダーウィンの生涯


駒井卓著 「ダーウィン ―その生涯と業績―」 
(培風館) 昭和34年初版


2008年 09月 07日

学生時代に読んでいたこの本からの引用をいくつか。

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「自分の生活は時計仕掛けのようなものだ。固定されたところで終わりになるだろう」と自分で言ったとおり、彼の日課は、全く判で押したようなものであった。
  朝は早起きで、冬などは夜の明け切らない間に近所を一まわりする。帰って七時四十五分ごろひとりで朝食を取って、終るとすぐに仕事を始める。八時から九時半までが、一番元気のある、仕事のよくできる時間である。九時半になると、客間へ出て来て手紙を見る。もし親族などからの手紙があると、音読してもらって、長椅子の上で聞く。そんなにして十時半ごろになると、また書斎に戻って仕事をはじめ、十二時か十五分過ぎまで続ける。それで一日の仕事は終ったつもりになり、「よく仕事ができた」と満足げにいう。それから晴雨にかかわらず散歩に出かける。
・・・
 午後三時ごろ、手紙が済むと二階の寝室に入って長椅子に横になり、巻きタバコを吸ったり、小説や科学以外の本を人に読ませて聞く。・・・四時半から一時間ほど仕事をする。そのあとで客間へ出て 来てしばらく何もせずにいて、六時にまた寝室に入って、小説を読んでもらったりたばこをすったりする。
・・・
 夜はひどく疲れて十時ごろには客間を退き、十時半床に就く。しかしなかなか寝つかれないで、数時間も不眠に悩むことが多い。

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 書物などもいっこう体裁をかまわず、大きすぎて持ちにくいと、勝手に真ん中から半分に割ったり、論文などは不要の個所を破り捨てたりする。つまり彼の考えでは書物を道具の一種だと思ったのである。
  自分の仕事の参考に読むべきものは、あらかじめ一まとめにして棚の上に積み上げておき、読むにしたがってほかの棚に移してゆく。そうしながらいつまでも読めないものの多いことをよくこぼした。読み終わったものがたくさん積み上げられると、それからいちいち内容の書き抜きにかかる。そしてそれらを整理して紙鋏みの中に分類してしまっておいて、いつでも出せるようにした。
・・・
 参考書からの書き抜きは、著書の中に自在に引用される。彼の書物を書くときのやり方は、いつもだいたいきまっている。書きはじめる時、かなり骨を折って全体の骨組みを作る。まず二、三ページに要領を書いて、つぎにそれを数ページまたは十数ページに広げ、さらに広げるというやり方である。それからいよいよ本式に書きはじめると、一気呵成に文章などかまわず書き流す。この時はたいてい古い原稿や校正刷の裏に乱暴に書く。それをさらに好い紙に一行あきに書き直し、存分に訂正を加えたうえで、人に写し取らせ、印刷所へ送る原稿 にする。

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「もし父の労作生活の特性を知ろうとならば・・・」
息子のフランシスは、父の追悼文の終わりにこう書いた。
  「かれが病弱のうちに勉強したことをつねに心に留めなくてはならぬ。それも自分で病苦を訴えることなくじっとこらえていたので、子供さえどれほど父が悩みとおしたかを知らないほどだった。・・・じっさい、母のほか、父の堪え忍んだ苦悩の全部と、その驚くべき忍耐の全部を知るものは、だれもいない。」

「とにかく私はここに繰り返していう。父はほとんど四十年の間、一日として常の人の健康を味わったことはなく、彼の生涯は、疲労と病苦に対する長期戦であったということが、その全部を特徴付けるものである。」

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「私には、例えばハクスレーのような賢い人にいちじるしい、事物をすばやく把握する能力も機知もない。それで私は批評家としてはだめである。人の論文や著書を読むと、初めはたいてい敬服する。よほど考えた後でないと、その弱点がわかってこない。私には長い純抽象的思索をやってゆく力はいたって乏しい。それだから哲学や数学をやっても、とても成功はおぼつかなかったと思う。」
「総決算して良い方の部に入るのは、注意を逃れやすいような事物に気がつき、それをこくめいに観察することにおいて、一般の人にまさっていると思う。また事実を観察蒐集するために勉強することは、ほとんど極度に達した。さらにずっと重要なのは、私の自然科学に対する愛好心が変わらず、しかも熱烈であったことである。」

「この単なる愛好心は同学の生物学者にほめられたいという野心でたいぶ助長された。わたしは少年時代から自分の観た事を何によらず理解したい、あるいは説明したい、すなわちすべての物をある一般法則の下に概括したいという強い願望をもってきた。」

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 ハクスレーは、ダーウィンの逝去を聞くとすぐに、つぎのような弔辞を『ネーチュア』に寄せた。

「ダー ウィンと対話するとソクラテスを思い出さずにおられなかった。どちらにも、だれでも自分より賢明な人を見出したいという願いがあり、道理の勝利を信ずる心があり、かつ、つねにユーモアを解する余裕があり、他人の身上や行いについて、関心をもった。ところがこの現代の賢哲は、自然界の問題を、理解の道がないとして捨ててしまうかわりに、ヘラクリツス(Heraclitus)やデモクリツス(Democritus)の精神をもって、これを研究することに生涯を 捧げ尽くし、その報酬として、予想が事実の影であったことを知りえたのである。」

「チャールズ・ダーウィンほどよく闘ったものはない。また、君ほど幸運であったものもない。君は偉大な真理がふみにじられ、狂信者から悪くいわれ、全世界から嘲られることを経験したが、幸いにもおもに君自身の力によって、その真理が科学界に動かない地位を得、人類の常識の一部になり、ただ少数のものが嫌い恐れ非難しても、実際には何事もないえないまでになったのを、その生前に見たのである。人としてこれ以上の望みがありうるだろうか。」
「ここまで思いをめぐらせてくる時、再びソクラテスの面影が期せずして現われ、その尊い『アポロジー』”Apology” にある終わりのことばが、ちょうどチャールズ・ダーウィンの決別の辞でもあるように、われらの耳に響くのである。
『去るべき時は来た、われらはわれらの道を行く。われは死し、なんじらは生くべく。どちらがよいか、知るは神のみ。』」





dimanche 25 janvier 2009

グレゴール・メンデル入門 Gregor Mendel

グレゴール・ヨハン・メンデル Johann Gregor Mendel
(22 juillet 1822 - 6 janvier 1884)
moine, botaniste Autrichien et le père fondateur de la génétique

2008年 10月 25日

大学の講義でメンデルが遺伝の法則を明らかにした1865年の歴史的な論文を読む。ドイツ語で書かれた論文(Versuche über Pflanzen-Hybriden)の仏訳(Recherches sur des hybrides végétaux)だが、原典でも40ページ以上あり、現代の論文に比べると非常に長い。発表当時は全く注目を浴びず、35年間眠っていたものである。1900年に3人の学者が 独立に再発見して彼は遺伝学の父と言われるようになる。

3人の学者とは、オランダのユーゴー・ド・フリース、ドイツのカール・エリッヒ・コレンス、オーストリアのエリッヒ・フォン・チェルマク Erich von Tschermak

これまでの私の中でのメンデルのイメージは本当に漠としたものに過ぎず、ブルノ Brno という町の修道院で一生を送った修道僧がよくぞこのようなことをやる気になり、それが大発見にまでつながったものだ、という程度のものであった。しかし、 彼がどのような環境にいて実際に何をどうやったのかを知るにつれ、目が開かされていた。

まず当時の修道僧の仕事は研究と教育であった。彼は修道院の中に閉じこもり、埋もれていたわけではなく、行動し、移動し、活発に活動していたことを知り、彼が急に生き返ってきた。ブルノの町もウイーンから100キロ程度しか離れていないので、文化的に隔離されていたわけではなかった。実際、彼はそのウィーンに出て、植物学、昆虫学、物理学(ドップラー効果で有名なドップラーの講義を受けている)を修め、細胞学説の大病理学者ウィルヒョーの話も聞いていたという。科学者としての基礎をしっかりと身に付けていたことがわかる。この論文の他にも気象学に関して13編物している。彼はドイツ語だけを話した。家が貧しかったために僧院に入ったようで、最終的にはその院長になっており、社会的にも重要な役割を担っていたものと想像される。

研究のテーマは交配によりいかによい種、新種を得るのかということであった。雑種は不安定であったので、安定性を得るための条件を探ることがテーマになっている。緒言ではこれまで研究してきた人について触れ、「疲れを知らない執拗さで」 とか 「こ れらの問題に人生を賭け」 などという文学的表現も見られ、今の科学論文とは様子が異なっている。ただ、それにもかかわらず 「すべてに例外なく当てはまる法則はまだ見つかっていない」 という言葉が出てきており、彼が法則を探そうとしていたことがはっきりとわかる。法則を見出そうとして目の前で起こっていることをただただ正確に記録し、その結果を説明しようとしている様が伝わってくる。そこには邪心が全くないかのようでもある。


宗教と科学の関係がよく問題になるが、この両者は両立しうることをメンデルは示していることになるのだろうか。メンデルの研究には数学的、統計的な手法が用いられているが、その初期の研究者とも考えられる。それがために当時理解されなかった可能性もあるだろう。歴史に残る仕事というのはしっかりしているものだと改めて感じ入る。




samedi 24 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (12)

5 février 2008

Patrick Forterre (Institut Pasteur - Paris) "Life definition : the virus viewpoint"

Half of the referees said "Definition of life is necessary."

Three domains of life: Bacteria, Archaea and Eukarya
Virus is living?

Viruses are by far the most abundant biological entities on our planet;
 1031 viral particles

10x bigger virus = 3x larger than cells

Jean-Michel Claverie "Viruses take center stage in cellular evolution"
Genome Biology 2006, 7:110

"the discovery of highly complex giant DNA viruses have stimulated new hypotheses that DNA viruses were involved in the emergence of the eukaryotic cell nucleus, and that they are worthy of being considered as living organisms."

GiantVirus.org



vendredi 23 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (11)

5 février 2008

Luigi Luisi "Defining life : a phenomenological, common sense approach"

  Living vs. non-living

1) definition: not appropriate
2) definition conveys an "ontic" ambition; too ambitious for scientists
3) operational description

2 levels of life: individual vs. population (--> basis of Darwinism)

Think on:
● life at the individual level
● here & now (no concern about time)
● unicellular organism
   to see if the conclusion is generalized

● a system spatially defined by a boundary of its own making
● regeneration from within
● self-organization
● autopoiesis (biological autonomy, autoreferential, operational closure)
system is open but closed with regard to dynamics

minimal requirement: homeostasis, self-reproduction




jeudi 22 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (10)

5 février 2008

Bruce Weber "What is life? Defining life in the context of emergent complexity"

Shelly (1822) "The Triumph of Life"
  the last poem: "Then. What is life? I cried."

Life was problematic for Democritean philosophers, but not for Aristotelians (= living as paradigma).

For Descartes's dualism, problematic

Sir Frederick Gowland Hopkins first prof of Biochem at Cambridge U
 rejects naive reductionists
1913; cell as chemical machine; life is whole of cell

Debate: vitalist vs. mechanist

 1930; Lancelot Hogben : mechanist
 1931; JBS Haldane : vitalist

JH Woodger: living organism not life; origin of life is out of science

1944: Schrodinger "What is life?"
 aperiodic crystal: order from order
 biological molecules: order from disorder
  "negentropy"
  internal system

1959: Oparin (Moscow meeting)
● templates for replication & for catalysts
● some mechanisms by which autonomy arises
● some mechanisms of reproduction

Darwin's public stance on origin of life: "Who cares!"

Ernst Mayr
: reductionist & emergentist
Alex Rosenberg: Darwinian reductionist, emergentist (scientific facts に基づいて考え直した) new modern Darwinism

Serial assembly of perfect parts is not efficient; the importance of the whole

1993: Stuart Kauffman's model for origin of life
"Origins of Order: Self-Organization and Selection in Evolution"

1991: Deamer's Protocell model (J Mol Evol 33:207-8)

transition from non-living to living
 Rasmussen, Science 303:963, 2004
 Pross, J Theor Biol 220: 393, 2003

program
 Luisi (2006): The emergence of life; origin of life & evolution of the biosphere

生命が地球で生れたと決めてかからずに、exobiology にも目をやる



mercredi 21 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (9)

5 février 2008

Marc Bedau "A roadmap to minimal chemical life"

Goals
● universal language for protocell
● focus on essentials, ignore others
● practical:
   easy to use
   avoid endless debate on the definition of life
   generate natural road map

Life as integrated triad
:
  container
  genetics: heritable control of functions
  metabolism: matter/energy

  #self-maintenance, autonomy, open-ended evolution




lundi 19 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (8)

5 février 2008

Radu Popa "Defining the living state via understanding early stages in its evolution"

xenobiologyを通して、地球外生命を探り、生命の定義、起源に迫る試み

Introduction to xenobiology (宇宙生物学とは)
  ● non-earth-centric description of life, origin, early evolution, macroevolution
  ● no sharp transition between life & non-life
  ● no one molecule, structure, force-started life
  ● being alive is independent of any particular composition
  ● origin of life: both probability & causality involved
  ● origin of life: placed at intersection between disequilibrium thermodynamics & theory of information

  ● xenobiology is different from astrobiology
    (XBは地球上の物質を基に考える)

Definition of Life
  living entities are self-maintained entropy dissipating system
  1) energy dissipative self-maintenance
  2) adaptive evolution based on genetic system = learning changes in controlling mechanisms

increasing energy dissipation : lot of energy into out
but no genetic memory
cf. digitizing information; remember the change, but not genetics

Origin of life
chance vs. causality
one big step or many small changes?
 non-lifeからlifeに至るchanceは、2の800乗分の1。
 chanceだけでは考えにくい。
 小さな変化だけで生命が誕生するとした場合、時間が足りない。
 大きな変化を考えないわけにはいかない。

Causal origin of life

● life drivers:
   internal/external
   time-asymmetric physical laws (non-random functioning of the Universe), post-Big-Bang
● anthropic principle --> physicist view
● non-random organization of the Universe




dimanche 18 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (7)

5 février 2008

Antonio Lazcano "The origin and nature of first life" his article

Schrödinger "What is life?" (1994)
Avery, Oswald T., Colin M. MacLeod, and Maclyn McCarty. Studies on the chemical nature of the substance inducing transformation of pneumococcal types. Journal of Experimental Medicine 79: 137-158, 1944.

At the time, no books on the life.

What is life (how did it originate) ?
1) autopoiesis
2) self-organization & complex system (popular among physicists, not biologists)
3) emergence of genetic informations & Darwinian evolution

● cyanobacteria: autpoietic system but not enough for life
● complex organization is not unique to living systems
   cellular automata
   flowing fluids
   falling droplets
   Belousov-Zhabotinsky reaction (BZ reaction) (video)

   "No single rule for all these"

● self-organization of prebiotic components must have been important
● genetic information & physical/chemical laws are necessary
● history's contingency is involved
● physical system is complex, but lacks genetic systems, historical continuity, ie, genealogy
● some systems may have genealogy but not genetic (eg, roman kings)

origin of life
  prebiotic evolution -----> ? <------ a="" about="" are="" biological="" evolution="" href="http://en.wikipedia.org/wiki/Oparin" knows="" nobody="" only="" process="" target="_blank" theories="" there="" this="">Oparin's theory is most reliable

  Stanley Miller experiment (1953) 不当に批判された
    CO2, CO, N2, H2S, H2O, CH4 ---> aa, nucleobases, sugars, lipids, oligomers of biochemical compounds

autocatalytic systems ---> non-informational character, not genetic system, cannot evolve by natural selection because they do not store information in a stable manner --- "they don't have genetic history"

For life, genetic replicating mechanism is required.

  non-living ---------------> living
           continuum
           seamless
      "meaningless to draw a line"

   (his analogy: if you look at Mark Rothko's carefully, there is no clear boundary between lines)



 


samedi 17 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (6)

4 février 2008

"Why Define Life?" Table ronde (1)

François Raulin (Université Paris 12)
A. Brack (Centre de Biophysique Moléculaire-Orléans)
K. R. Mirazo (Université du Pays Basque, Espagne)
J. Pereto (Université de Valence, Espagne)
J. Reisse (Université Libre de Bruxelles, Belgique)
J. Schneider (Observatoire de Paris-Meudon)

Pereto: artificial life が出てきているので、定義は必要
Schneider: living と non-living の境は曖昧
Brack: Einstein は問を発することを止めてはならないと言った。定義についても同様
Morange: ここで重要なのは問を発すること
Luisi: origin of life と definition of life は別問題。コンテクストの中で定義すべき。
Brack: 現在の生命 vs 原始の生命
Reisse: 物理学者は時間の概念を持たずに物理学を発展させた。時間の定義は必要なかったということ

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初日の印象は以下のようなことになるだろうか。

My impression at the end of the first day

Definition of life, minimally consensual at the present time, may be "open system capable of self reproduction & evolution". Beyond this point, it seems to become the domain of philosophy. You can live without it. Of course, it is important to think about it and keep asking this question.




vendredi 16 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (5)

4 février 2008

Kepa Ruiz Mirazo "Defining Life : Why, How and What for?"

1961年: Oparin
"Only possible in the light of a knowledge of its origin & evolution"

2002年: Cleland & Chyba
general theory が出なければ先に進まない。definition から theory に行くことも origin に行くこともできる。

2004年: Ruiz Mirazo "requirement for good definition" を示す

1982, Mayr
1991, de Duve
2002, Koshland
1990, Shapiro & Feinberg; good but not satisfactory
1998, Emmeche; good but not satisfactory
1973, Maturana & Valera

Standard:
1970, Sagan "system capable of evolution by selection"
1994, Joyce
"self-sustained chemical system capable of undergoing Darwinian evolution"

1998, Luisi; criticism

1982, Mayr
1986, Maynard-Smith
  "Life vs Living system"
   individual/organism/metabolism
   collective/polulation-ecology/historical

"absolute or actual" or "potential" life criteria (Origins of Life and Evolution of the Biosphere 34:323-46, 2004)
 living system = any autonomous system with open-ended evolution capacities
 must include:
 1) membrane; semi-permeable active boundary
 2) energy transduction/ conversion apparatus; chemical/chemiosmotic energy
 3) catalysts, records; two types of interdependent macromolecular systems

Ruiz-Mirazo (Biol Philo 23: 67-85, 2007)
 autonomy -- function
 open-ended evolution --- information
 naturalization of Shannon & Weaver conception of information

 


jeudi 15 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (4)

4 février 2008

Jacques Reisse "Why define life?"

生命の定義は可能か?
物理学者はエネルギーの定義を持っていないが (ファインマン)、法則はある。

definition of mass in physics : highly concentrated form of energy
definition of time ?

R. Feynman : time, mass という定義が不明瞭なものから、物理法則は作ることができる。

biology is not the study of life, but of living system.
 Life = shared properties in all living systems
Why define life? --- biologists know living systems; not necessary to know life
ただ、以下の興味はある
● first living organisms?
● extraterrestrial life ?
● man-made system ?

Ponnamperuma, Cyril (1923-1995)
  "life must be common in space"

Aristotle : impossible to draw line between living and non-living, in broken sequence from lifeless to animals

Systems can be partially living
● true at the beginning of life
● still true today (virus, spore)
● analogy betw non-living & living

axioms of aristotelian logic
1) law of noncontradiction
   A cannot be both B & non-B
2) law of excluded middle
   A must either B or non-B
3) law of identity
   A will always be A

Lotfi Asker Zadeh (1921-)
1965 : Fuzzy Set:
1973 : Fuzzy Logic
multivalued logic
   A is not necessarily B or non-B but could be caracterized by a value between 1 (set B) and 0 (set non-B). Law of excluded middle is rejected.

Not all or none.
  robot : partially living (0.2 living)
  virus : 0.7 living

● better not to search for definition of life
  科学ではしばしばファジーの状態のものの方が役に立つことがある

Q&A
 definition should be done in a context
 Freud : concept があれば、definition がなくとも前に進む?
 life in relation to entropy : low entropy but open system
 definition がなければ、other life forms を探せない
 物理学者はenergy, mass, timeの定義ができていない。生物学者が生命の定義ができていなくてもよいのではないか?

Gaia hypothesis - an ecological hypothesis that proposes that living and nonliving parts of the earth are viewed as a complex interacting system that can be thought of as a single organism


mercredi 14 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (3)

4 février 2008

André Brack "Exobiologist chemist view of life"

 参考:彼のインタビュービデオ

「生命とは」の定義 : 人の数だけあり、コンセンサスなし

living as a minima
● Open system capable of self-reproduction; evolution
   Virus : not self-reproducing
   Crystals : no evolution
● Life starts in water with carbon chemistry

Open system : needs ingredients & energy
Carbon chemistry : tetravalence, chirality
Water : liquid, hydrogen bond
Self-reproduction : proliferation
Evolution : allows improvement, generates biodiversity

● 4 billion years ago
   can it be reproduced in a test tube?
1) water : 4.4 Ga

2) carbon : CO2, CO, CH4 methane (not abundant)
  * Stanley Miller experiment : CH4, NH3 ammonia, H2, H2O → 4 amino acids
  CH4 をCO2にするとリカバリーは少なくなる
  * Mid-ocean ridges : rainbow submarine hydrothermal system
  H     45%
  Methane  6%
    CO2   43% but no amino acids
    N     4%
    HS    2%

3) Murchison meteorite
  8 a.a. produce proteins
  Gly, Ala, Val, Leu, Ile, Pro, Asp, Glu
  Adenine, Guanine, Xanthine,,,,,,
  2.5 x 10E16 tons of organic carbons in micrometeorites !
  隕石に由来する炭素は地上に現在ある量の25,000倍になる。
  生命が地球外から来たという一つの論拠になっているのか。

Simulating interstellar chemistry
16 aa; 6 aa produce proteins

protein (より正確には polypeptide) の作製はそれほど問題にはならない。
問題はRNAの生成ではないか。sugar(ribose)やcatalystが必要になるため。

Chemistry on the rocks
● selective adsorption
● ionic interaction
● reduced mobility
● reduced hydrolysis

4 billions years ago : heavy bombardment & life emerged
 したがって、そういう苛酷な環境で生存するためには、
 生命は robust, simpleでなければならないはず

Mars Express OMEGA spectrometer によると、Vikingには水の存在を示す claysが観察されている

2008年2月3日現在、exoplanets の数は270に達している。
2006年12月27日に打ち上げられたCOROT(+宇宙望遠鏡)は水の存在を探索している
Darwin Mission (フランスはまだ調印していない?)により、水のある天体を

A second genesis
● solar system を探す
● SETI?
● Exoplanet を探す
● Test tube で
●  Paul Davies (彼のビデオ)が言うように、地球上に別の生命体(alternative terrestrial life)を探す(現在の生命体はGenetics/proteins をモーターとしているが、彼はそれ以外の機構をモーターとする生命体の存在を示唆している。しかし、まだ見つかっていない)

質問・コメントとして出ていた問題
● コンピュータはevolutionもするし、self-reproducingでもあるのに、なぜ生命ではないのか?
● 生物学者はトップダウンの戦略をとる(細胞から始める)が、有機化学者はボトムアップの戦略をとる(基本単位を成す物質から始める)
●● 生命の定義のキーワード : open system, self-reproduction, evolution




mardi 13 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (2)

4 février 2008

Marie-Christine Maurel "Life as a concept and as a material subject"

 参考:彼女の講演 "Le passage du non vivant au vivant" 「無生物から生物への道」 (ビデオ1, 2

      phusis (la nature) vs nomos (the law)

The title of the symposium is in itself antinomic, because "definition" introduces a frame, a law, a convention, but "life" is full of dynamism and cannot be trapped.

In the Webster, 20 definitions:
● vital vs dead
● vitalism
●● growth, reaction to stimuli, reproduction, metabolism


questions to be asked:

● of what is composed
● from where
● how it was formed
● how it is transmitted
● what is an ancient form
● other life forms in the planets

4.5 Ga : H, C, N, O, S, P
3.6 Ga : birth of cell

topdown approach : comparative biochem
 H, C, N, S, P,  → CH2, CO2, CO, H2O,,, → biopolymer, peptide,, → living system → → today

bottom-up approach : evolutionary biochem
 today → → →  Archaea, Bacteria, Eucarya

Molecules of life
(1) synthesis of building blocks
(2) clays, metal sulfurs from hot springs may help

peptide synthesis supplied by CO underhot aqueous condition in the presence of (Fe, Ni)S

conditions for life
1) autopoiesis (Humberto Maturana and Francisco Varela in 1973)
2) self-organization / complexity
3) dorwinian evolution

# problem of complexity; physical system can be complex
Belousov-Zhabotinsky (BZ) reaction (video)

Life is characterized by a dualism (Salvador Luria)

material nature of life : historical nature of evolution

Erwin Schrödinger
laws of physics cannot be applied; must develop a new law

Systemic approach : total is more than sum of parts
autopoiesis, self organization, emergence, complexity, holism

Albert Szent-Györgyi : The living state (1972, AP)
Life has developed its process gradually, never rejecting what it has built

RNA world hypothesis and facts

early evolution; RNA replication
current RNA is fossil of ancient RNA ?

biomolecules are historical structures>
Molecular biology: evolution を in vitro で解析

RNAだけで存在したのか?
viroid = naked RNA at the boundary of life
 246-574 bp
 no envelop, capsids
 not protein-coding
 resistant to high temperature, extreme pH, high pressure
 free in nature
 living fossil ?

RNA viruses = continuum from RNA world to viroids, viruses, cells


prebiotic world : accumulation of materials
aa, peptides, nitrogenous bases, sugar ..., water, clays, minerals
  ↓
strates of life : phenotypic diversity, ecological niches
RNA world
free RNAs
pro-viroids
proto cell
  ↓
  O2
  ↓
naked RNA → viroids
RNA → virus : cell (pro prokaryote?)
  ↓
acquisition of intercellular mode of life
DNA/RNA world
endo symbiosis → chloroplasts


prion not mentioned;
 protein can transmit morphological changes upon contact (no transfer of information)




lundi 12 janvier 2009

「生命を定義する」 Définir la vie (1)

4 février 2008

開会前、会場には鳥の声が流れていた。最初の記念講演に立ったフランソワ・グロ氏は、まず歴史的に生命がどのように考えられてきたのかについて概説した。

François Gros (Institut de France)

古代ギリシャの哲学者、医者 (例えば、ピタゴラスエンペドクレスヒポクラテス など) の考え、cosmognoic theory を紹介、特にエンペドクレスの自然の中にある要素、力 (空気、水、火、土) の組み合わせで物質が成り立っているという4元素説に触れる。
   Empédocle d'Agrigente Empedocles
   Pythagore Pythagoras
   Hippocrate Hippocrates

アリストテレスの生物の定義を紹介。
 1) 反応できる
 2) 動くことができる
 3) 調和の取れた形態を持つ
 4) 心と身

錬金術 alchemie, chemiatrics の時代が出てくる。
  Basil Valentin
  パラケルスス Paracelse Paracelsus (1493-1541)
  体を化学工場として捉える。
医術には3つの基礎があり、その3つとは、哲学(四大元素が必要)、天文学(天の運行に則る必要)、錬金術(アルカナが必要)である。加えて医術には、神の意思に従う倫理が必要であると説いている。

デカルト 心身二元論

アニミズム・バイタリズム

  JP Muller
  ゲオルグ・エルンスト・シュタール Georg Ernst Stahl (October 21, 1660 - May 24, 1734) a German chemist and physician
    Theoria medica vera (1707)
    フロギストン説, Phlogiston theory, phlogistique, phlogistics

Naturalism
 純粋の観察を重視、種々の生命形態を記載し分類する
   カール・フォン・リンネ Carl von Linné Carl Linnæus (May 13, 1707 – January 10, 1778)
   アンドレア・セザルピーノ Andrea Cesalpino André Césalpin (June 6, 1519 – February 23, 1603)

Evolutionism
   transformism, Darwinism, neo-Darwinism

End of spontaneous generation ; Emergence of microbiology
  germ theory   
     Louis Pasteur, Robert Koch
  cell theory
     テオドール・シュワン Theodor Schwann Theodor Schwann (7 décembre 1810 – 11 janvier 1882) :

Experimental physiology

  ウイリアム・ハーベー William Harvey William Harvey (April 1, 1578 – June 3, 1657)
  アンドレアス・ヴェサリウス André Vésale Vesalius (Brussels, December 31, 1514 - Zakynthos, October 15, 1564) 解剖
  クロード・ベルナール Claude Bernard Claude Bernard (July 12, 1813 – February 10, 1878) milieu interne, physico-chemical determinism

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biochemical era : enzymes metabolism

chemical genetics : law of heredity (Mendel), gene, mutation (Morgan), recombination

molecular biology : double helix, genetic code, gene expression control

genetic engeneering : cloning, split gene, splicing, ribozyme, RNA preceeded DNA

genes of development, embryogenesis, carcinogenesis (oncogene)

microbial genetics → molecular biology of higher organism → genomics → post-genomic era

----------------------------
New approaches & achievements in biology
● cell factory at the post-genomic era ; system biology
● what genomics tell us about evolution
● microbial world & metagenomics = environmental genomics, ecogenomics or community genomics
 *first used in 1998 by Jo Handelsman and others in the University of Wisconsin Department of Plant Pathology
● new RNA world ; RNA world hypothesis
● origin of life : archea, thermophilis, bacteria, exobiology
● transgenics
● from fertilized egg to complete body : revival of embryology, stem cell, reprogramming of nucleus (clonage thépapeutique)
● neuroscience & brain development
● toward environmental biology ? : emerging diseases, GMOs, climate change & biodiversity, maintenance of ecosystems

----------------------------
Genomics
● comparative genetics
● functional genetics : transcriptome, proteome
● mechanisms of speciation
● genetic variations

% of coding genes in mammalians is extremely low (a few %) compared with lower living organisms (mouse < fly < nematode < yeast < E. coli)

Role of non-coding DNA in humans (97-98% of total)

● transposon-derived repeats
● pseudogenes
● simple sequence repeats (SSRs, microsatellite); minisatellites
● 

----------------------------
Neurogenetics

● X-linked mental retardation; fragile X syndrome
d/T anomalous CGG triplet repeats in FMR1 (FMRP) gene
its protein function = controls mRNA transition at the nerve endings, affects synaptic plasticity
● autism : neuroligins (NLGN3, NLGN4X) regulating adhesion at the postsynaptic)
● FoxP2 gene : transcription factor
1990 Anthony Monaco; from dysphasic (specific language impairment:SLI) patient (KE family), chr 7
With Svante Pääbo's group in Leipzig, other animals lack human forms (chimp, 2 aa difference), a language gene selected during evolution (20万年)? この遺伝子が言語の発生に関与しているのか?

----------------------------
Definition of life
● equilibrated dosage of naturally occurring elements organized by physical force
● creation of diversity
● morphology, ability to move
● self reproducible system
● machine
● chemical factor, generating its own energy, with catalytic properties
● interaction of informational macromolecules
● highly integrated system, organization, regulated by environment-sensitive loops





dimanche 11 janvier 2009

「生命を定義する」 シンポジウム "Définir la vie - Defining life"



昨年2月に「生命を定義する」というシンポジウムがパリの国立自然博物館であった。プログラムは以下に示した通りである。私にとっては初めての視点だったので、多くの示唆を得た。この問題を読み解くための資料とするために、生のメモの形になるが何回かに分けてこの場に保存することにした。


4 et 5 février 2008 : Colloque "Définir la vie - Defining life"

Organisé par :
Jean Gayon
Christophe Malaterre
Michel Morange
Florence Raulin-Cerceau
Stéphane Tirard

Equipes de recherches :
REHSEIS (Paris, UMR 7596)
IHPST (Paris, UMR 8590)
Centre Alexandre Koyré (Paris, UMR 8560)
Centre François Viète (Nantes, EA1161)

Dans le cadre du programme d’Etudes historiques et philosophiques sur l’Exobiologie ce colloque est organisé dans le cadre du Programme InterDisciplinaire Origines des Planètes et de la Vie du CNRS

Informations pratiques : le colloque se tiendra dans le Grand amphithéâtre du Museum National d’Histoire Naturelle, Paris

PROGRAMME

Lundi 4 février

9h00-9h30 : Accueil des participants - Registration

9h30-9h45 : Introduction - Welcome

9h45-10h25 : François Gros (Institut de France) 
Conférence inauguralememo

10h25-11h05 : Marie-Christine Maurel (Université Paris VI)
"Life as a concept and as a material subject" → memo

11h05-11h20 : Pause

11h20-12h00 : André Brack (Centre de Biophysique Moléculaire/CNRS, Orléans)
"Life as approached by an exobiologist chemist" → memo

14h00-14h40 : Jacques Reisse (Université Libre de Bruxelles, Belgique)
"Why define life?" → memo

14h40-15h20 : Kepa Ruiz Mirazo (Université du Pays Basque, Espagne)
"Defining Life : Why, How and What for?" → memo

15h20-16h00 : 1ère table ronde animée par François Raulin (Université Paris 12)
"Why Define Life?" → memo

A. Brack (Centre de Biophysique Moléculaire-Orléans)
K. R. Mirazo (Université du Pays Basque, Espagne)
J. Pereto (Université de Valence, Espagne)
J. Reisse (Université Libre de Bruxelles, Belgique)
J. Schneider (Observatoire de Paris-Meudon)

Mardi 5 février

9h15-9h55 : Antonio Lazcano (Université de Mexico)
"The origin and nature of first life" → memo

9h55-10h35 : Radu Popa (Université de l'Etat de Protland, USA)
"Defining the living state via understanding early stages in its evolution" → memo

10h35-10h55 : Pause

10h55-11h35 : Marc A. Bedau (ProtoLife SRL et ECLT, Venise, Italie)
"A roadmap to minimal chemical life" → memo

11h35-12h15 : Bruce Weber (Université de l'Etat de Californie, USA)
"What is life ? Defining life in the context of emergent complexity" → memo

14h00-14h40 : Pier Luigi Luisi (Université de Rome 3, Italie)
"Defining life : a phenomenological, common sense approach" → memo

14h40-15h20 : Patrick Forterre (Institut Pasteur - Paris)
"Life definition : the virus viewpoint" → memo

15h20-16h00 : Michel Morange (ENS Paris et IHPST)
"The resurrection of life" → memo

16h00-16h20 : Pause

16h20-17h00 : 2ème table ronde animée par Michel Morange
"Can a Unique Definition of Life be Formulated?"

M. Bedau (ProtoLife SRL et ECLT, Venise, Italie)
H. Bersini (Université Libre de Bruxelles, Belgique)
P. Forterre (Institut Pasteur-Paris)
A. Lazcano (Université de Mexico, Mexique)
P.L. Luis (Université de Rome 3, Italy)
A. Moreno (Université du Pays Basque, Espagne)
R. Popa (Université de l'Etat de Protland, USA)
B. Weber (Université de l'Etat de Californie, USA)

17h00-17h30 : Jean Gayon (Université Paris I) : Synthèse des travaux → memo



samedi 10 janvier 2009

フランスの医療政策



今朝、ル・モンドでサルコジ大統領がストラスブールの医療関係者に新年の挨拶をした話題が出ていた。フランスにおいても医療の自由化を推進しようとする政策を大統領が推進しようとしているようで、それに対して社会党や医療関係の組合は反対の声を揚げ、その考えを行動に表している。はっきりとした行動に出ているのが日本との違いになるのだろうか。この10年間で230億ユーロを医療に拠出していることを関係者は考えてほしいとしている。その資金でより効率的な運用を期待し、現在の政策を進めることを強調している。医療の側はさらなる財政支援がないと改革は不可能で、医療従事者は疲弊し患者は危険な状態に置かれていると主張している。日本の問題とも共通するところがあるようなので、これから注目して行きたい。以下に関連の記事を2つほど。


Nicolas Sarkozy "confirme les orientations très libérales de la politique de santé"

LEMONDE.FR avec AFP et Reuters | 09.01.09 | 18h59 • Mis à jour le 09.01.09 | 20h35

Les vœux de Nicolas Sarkozy au personnel soignant, vendredi 9 janvier, ont été sévèrement critiqués par l'opposition et les syndicats hospitaliers qui dénoncent la libéralisation du secteur. Pour Jean-Marie Le Guen, chargé des questions de santé au PS, le président "n'a pas pris la mesure du malaise de l'hôpital public" et "semble vouloir s'obstiner à faire de la baisse de l'emploi dans l'hôpital public l'objectif premier de sa politique hospitalière : c'est une faute lourde et un contresens au regard des circonstances économiques et sociales actuelles". "Je demande au président de la République de reconsidérer sérieusement la place qu'il accorde à la santé dans les politiques publiques et de comprendre que, sans un investissement massif dans la santé, la réforme sera impossible", a ajouté le député de Paris et président suppléant du conseil d'Assistance publique-Hôpitaux de Paris.

"L'hôpital est à la peine. Pour rétablir la confiance, le discours de Strasbourg peine à convaincre", a estimé la coordination médicale hospitalière (CMH) dans un communiqué. "Le maintien de la solution du patron miraculeux pour sortir de la crise risque de confondre réforme du code de la santé et celle du code du commerce", craint la CMH. La CGT santé déplore également que M. Sarkozy "confirme les orientations très libérales de la politique de santé du gouvernement".

Pour l'intersyndical national des praticiens hospitaliers (INPH, l'un des principaux syndicats de praticiens), l'accroissement du pouvoir du directeur d'hôpital, voulu par le chef de l'Etat, favoriserait des oppositions inutiles entre médecins et directeurs. "Le président de la République se sert probablement du modèle de l'hôpital américain de Neuilly", a ironisé sur France 2 la présidente de l'INPH, Rachel Bocher. "Mais, à l'hôpital public, il faut reconnaître la responsabilité de l'ensemble des acteurs (...) Opposer les médecins et les directeurs, ça ne sert à rien", a-t-elle poursuivi. "Mettre le directeur en 'pole position', c'est le mettre en position de coupable. C'est essayer de prendre des sanctions s'il y a un problème", a-t-elle ajouté.


Sarkozy : "l'hôpital ne souffre pas d'un manque de moyens"
LEMONDE.FR avec AFP | 09.01.09 | 13h45 • Mis à jour le 09.01.09 | 17h54

Pour présenter ses vœux au personnel soignant, vendredi 9 janvier, Nicolas Sarkozy avait choisi le nouvel hôpital civil de Strasbourg. Des vœux décentralisés qui marquent la volonté de Nicolas Sarkozy "de venir sur le terrain." Alors qu'au cours des dernières semaines, sont survenus en milieu hospitalier, parfois suite à des erreurs médicales, le chef de l'Etat était attendu au tournant. "L'hôpital est une institution trop importante pour les Français, pour qu'il soit le lieu de polémiques parfaitements déplacées", a-t-il affirmé. Félicitant les personnels hospitaliers pour leur travail au quotidien, le président de la République a lancé : "Ceux qui ont stigmatisé l'hôpital sont moins prompts à le féliciter lorsque les trains arrivent à l'heure (...) En tant que chef de l'Etat, je vous soutiendrai en toutes circonstances."

Pour le chef de l'Etat, l'hôpital ne souffre pas d'un problème de moyens, comme l'affirment de nombreux syndicats. Il a ainsi rappelé que le budget de l'assurance-maladie consacré à l'hôpital avait augmenté de 50 % entre 1998 et 2008. "C'est 23 milliards d'euros de plus pour l'hôpital au cours des dix dernieres années (...) je livre ce chiffre à votre réflexion", a-t-il précisé. "Le défi de l'hôpital d'aujourd'hui, c'est que cet argent qui est nécessaire soit plus efficace parce que l'hôpital doit être mieux organisé", a ajouté Nicolas Sarkozy, se prononçant pour "une meilleure coopération entre les établissements".

Si le président a prononcé son discours sous les applaudissements du personnel soignant qui était venu l'écouter, à l'extérieur, le ton était nettement différent. Entre 150 personnes selon la police, et 250 selon les organisateurs, étaient venues protester contre la présence de M. Sarkozy. Les manifestants, principalement des agents et infirmiers des hôpitaux universitaires de Strasbourg qui s'étaient mis en grève à l'appel des syndicats CGT-FO-CFDT-UNSA-CFTC, s'étaient rassemblés à une centaine de mètres de l'hôpital. Ils entendaient dénoncer le manque d'effectifs et de moyens de leurs établissements. "Hôpital en colère, y en a marre de la galère", ou "personnel épuisé, les malades en danger", scandaient les manifestants maintenus à distance par les forces de l'ordre.





mercredi 7 janvier 2009

パウル・エーリヒとシガー


マルタ・マルクワルト著 「エールリッヒ博士の思ひ出」
(白水社科學選書、昭和18年1月、1円80銭:2007年、1200円)


週末、本を整理していたところ、これが出てきた。ポール・エーリヒの秘書として13年の時をともにした人が書いた回想録で、生身のエーリヒが浮かび上がる。昔の本はなぜか読みやすい上、興味深い逸話に溢れていたので一気に読んでしまう。主人公のパウル・エーリヒについては、この分野の方には説明の必要はないだろうが、専門外の方のためにこの本にあった経歴を簡単に触れておきたい。一言で言ってしまえば、19世紀から20世紀にかけての免疫学の巨人で、創造力あふれる理論のみならず実践面でも人類に貢献した最高レベルの科学者ということになる。

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1854年、シュレジアのシュトレーレンに生まれる。
その町の小学校、ブレスラウのギムナジウムで学ぶ。
その後、ブレスラウ、ストラスブール、フライブルグ、ライプチッヒの各大学で医学を修める。
1878年、ライプチッヒ大学卒業。ベルリンの慈善病院内科に入り、1885年には医長になる。
1884年、プロフェッソールの学位を受ける。
1887年、ベルリン大学講師、1890年には員外教授に。
結核研究中に感染し、エジプトで静養。
ベルリンに戻り、自費で研究室を建てるも満足できず。
1890年、ロベルト・コッホに招かれ、伝染病研究所に移る。エミール・フォン・ベーリングのジフテリアの血清療法に関与する。この時期に「側鎖説」の萌芽がある。
1896年、彼の才能を認めた政府がベルリン郊外に血清研究所を設立。ここで免疫の本質を見抜いた「側鎖説」が実ることになる。
1899年、実験治療研究所長としてフランクフルトに移る。
1908年にはノーベル賞受賞
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この本で初めて彼がシガーを無上の楽しみにしていたことを知る。私もたまに嗜むためか非常に近い存在に思え、嬉しくなっていた。上の写真でもシガーが彼の生活の中に溶け込んでいる様子が窺える。例えば、こんな具合で紹介されている。

「パウル・エールリッヒの唯一の道樂は、煙草と書籍であつた。彼の所謂《舶來》(ハヴァナ葉巻)は、フランクフルトに取りつけの店があり、そのほか、時をりフランクフルトとベルリンに一軒づつ注文する店があつた。彼の常用の煙草がつくと、その都度知らせるやうになってゐたが、それは自家用として煙草商の店に貯蔵させて置き、少しづつ取り寄せて、終始事缺かぬやうにした。一日少なくとも一回、時によると二回、一箱二十五本入り葉巻の箱を届けることになってゐた。それがいつもより十五分でも遅れやうものなら、使いが自轉車で駆けつけるまで電話のベルがけたたましくなりつづけるのであつた。《強烈な刺戟》の、その強烈さがどの程度のものであったかといふと、エールリッヒのハヴァナ葉巻が上等なのをよく知つてゐる同僚や友人は、よくほしがって貰ったものであるが、結局、それは普通の煙草のみを簡単にめまひをさせるものだといふことに衆議が一決したほどである。エールリッヒは、その葉巻を朝から晩まで放さなかった」

「《強い魅力》と云へば、エールリッヒにとつては煙草もその一つで、それは恬淡な彼の生活中に異彩を放ってゐる」

「巡回はおひるの一時ごろに終る、それを濟ませたエールリッヒが實驗治療の研究所とは、垣をめぐらした小さい庭を一つ距てたばかりのゲオルグ・スパイエル研究館からこちらへ歩いてくる姿は、未だに忘れられない印象として残ってゐる。左のこわきには例の二十五本入りの葉巻の小箱をしつかりかかへ、右手には眼鏡の大きい角製のつるをぶらぶらさせ、ぢつと正面を見ながら何かを考へ込んだ目附をし、冬でも帽子一つでオーヴァーも着ず、雨も雪も天氣の惡いのもまるで氣にかけぬ様子でやつてこられるその姿が ―― 」




この写真は実験室の中だと思うが、よく見ると彼の左手にはシガーが挟まっている。この手の写真は以前にも見ていた可能性があるが、この本を読むまで彼の手元は見逃していた。

序文によると、彼の生前には友人と崇拝者ばかりではなく、彼の業績を否定しようとする多くの敵と誹謗者を持っていたという。「いつの時代にも絶えぬ、嫉妬深い者ども、陰險なやから、或いは極端な否認論者ばかりに限ら」ず、「ごく真面目な人々の中にすら」彼の理論やその楽天的な態度を「疑惑の目で眺め、ことごとに反対することにつとめるやうなものがゐたのである」とある。著者のマルクワルトさんが勤め始めた1902年頃には「妄想博士」という綽名が付いていたという。偉人伝ではわからない彼を取り囲む現実を見る思いである。ひょっとすると、そのような俗世から離れたひとつの空間を彼の周りにつくるのに葉巻が大きな役割を担っていたのかもしれない。


彼はまた葉巻のほかに、何気ない素朴な自然を愛した。枯れかかったポプラの幹に生えた小さなミヤマナナカマド、若木、昆蟲、鳥の類などの。そして、ニーチェのこの言葉をよく口にしていたという。

「微かなるものすべて、かそけきもの、蜥蜴のかさこそ、息吹き、制止の聲、たまゆらの時、―― なべて微かなるものこそ快けれ!」



mardi 6 janvier 2009

ピッツバーグ大学・パリ大学ワークショップにて

2008年 06月 05日

ピッツバーグ大学とパリ大学の共同ワークショップで思わぬ出会いがあった。日本からこちらに3ヶ月の予定で滞在されている科学史家の伊藤憲二さん(総合研究大学院大学)と初めてお会いしてデジュネをともにしながら、この分野のお話を伺うことができた。私の感触もそうであったが、日本では科学哲学や科学史と実際の科学との接触は極めて稀とのこと。この両者が相互に全く関係なく仕事を進めていることになるが、お互いにとって不幸な状況に見える。何とかならないものだろうか。ただ、日本で科学を対象に研究している文系の人口もそれほど多くないようなお話だったので、どうしてもサロン的にならざるを得ないのかもしれない。誤解であればよいのだが、、。今回私が参加したセッションでは半分くらいは科学者が話をしていた。科学者の中にはそのテーマに哲学的な含みを持っている人がいたり、哲学的問に答えるために実験をしているのではないかと思われる人もいたりして興味深いものがあった。

話がパリのことに及ぶと、この分野の研究者の集合の度合い、したがって種々の研究会やセミナーの充実振りはひょっとすると世界でパリの他にはないのではないかという指摘があった。私のレベルではまだそこまで目は行っていないが、研究者にとっては有り難い環境のようである。また、今回の発表者の中にはピッツバーグ 大学で研究されている日本人の若手、石田洋一さんが含まれていたが、残念ながら2日目には参加できずお話する機会は得られなかった。

ところで、昨日発表したアメリカの大学教授の考えに共鳴するところがあった。それは学生に知識を問う試験をするよりは、teaching assistant のような形で教える経験をさせる方が身に付く知識を得られるのではないかとの持論。私などは学生の立場としてほぼ完全に同意していた。もちろんこの他に論文は準備するのだが。

それから以前にも感じたことではあるが、アメリカの学者 (おそらくアメリカ人に共通か) は声が大きい。国が大きいためにそうなるのだろうか。相手がどのような人なのか想像もできない国に住んでいると、想定しなければならない範囲が大きくなるためかもしれない。機微を排した機械的な響きがする。日本などはフランスにより近いということだろう。ただアメリカナイズされてくると声は大きくなる傾向にあるようだ。

lundi 5 janvier 2009

Paul Davies という科学者



Paul Davies (born 22 April 1946): a British-born physicist, writer and broadcaster, currently a professor at Arizona State University and the Director of BEYOND (Center for Fundamental Concepts in Science)


    "An ultimate explanation" ビデオ (1 2 3 4 5)


samedi 3 janvier 2009

スタンレー・ミラーという科学者 Stanley Miller


Stanley Lloyd Miller
(March 7, 1930 - May 20, 2007)


2007年10月07日

2007年5月20日、生命の起源について問い続けたアメリカの科学者、スタンレー・ミラーが77歳で亡くなった。以前であれば特に注意を惹かない科学者だったであろう。しかし、生命の起源という根源的な問題について実験的に答えを出そうとした存在には興味が湧いている。原始のスープからアミノ酸が得られたことを示した彼の実験について、生命の起源に対しての答えは何も得られていないという批判は当然なのかもしれない。アミノ酸から有機体への道は果てしもなく遠いように見えるからだ。しかし、問を立ててそこに向かう実験をした最初の人であることには変わりはなく、その時彼の中でどのようなことが起こっていたのか、私の好奇心を掻き立てる。


ユーリー/ミラーの実験 Urey-Miller experiment

The experiment that simulated hypothetical conditions present on the early Earth and tested for the occurrence of chemical evolution. Specifically, the experiment tested Oparin and Haldane's hypothesis that conditions on the primitive Earth favored chemical reactions that synthesized organic compounds from inorganic precursors. Considered to be the classic experiment on the origin of life, it was conducted in 1953 by Stanley L. Miller and Harold C. Urey at the University of Chicago (Science 117: 528-529, 1953).


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2009年1月19日

● January 19, 2009; Science An Origin-al: Stanley Miller

● Jeffrey L. Bada and Antonio Lazcano. Prebiotic soup--Revisiting the Miller experiment. Science 300: 745-746, 2003.

● Website: 50th anniversary of this pivotal experiment of Stanley Miller




vendredi 2 janvier 2009

哲学と科学の接触で思い出したこと



元旦の「哲学的視点からのお話を免疫学会で」という話題に絡んで思い出したことがある。昨年の秋口だっただろうか。内科の検診に行った時の先生との会話である。私がこちらで医学を含めた科学哲学について勉強中であり、日本の科学の学会で哲学について講演する予定であると話した時に、まずフランスで科学哲学を学ぶなどということは素晴らしい、そして科学の分野にそのような働きかけをするのはお互いにとってよいことなので積極的にやるべきだという反応が出ていた。先生はさらに続けて、生活習慣病の学会では哲学的な講演が毎回取り上げられ、その会場は埋め尽くされるという話をされた。科学の学会に哲学が顔を出すというのは珍しいことではなく、フランス(あるいはヨーロッパ)のお医者さんがそれを歓迎している様子を聞き、心地よい驚きが襲っていた。

先生の専門である生活習慣病と言えば、完治は難しい場合が多いので、治すというよりは共に歩むことの方が多くなり、医学の科学的側面以外の要素が求められているためだと理解するとわかりやすい。そこで実際に哲学を取り入れるところまで行くのは行動的である。日本の医学会の状況はどうなっているのだろうか。特に、哲学の側が科学の土俵に出て行って顔を合わせるということはあるのだろうか。医学を哲学や倫理の側面から考えましょうという動きや学会活動があるのは承知しているが、もし孤立しているとすれば実際の医学への貢献は限られるのではないだろうか。

これから注意して見て行きたいが、そろそろ科学者や医学者の集まりで哲学者が直接語りかけたり、逆に科学の側も自然をより深く理解しようとする精神のあり方が求められるような気がしている。もちろん、そのためには哲学は必要がないどころか有害であるという考え方も存在するが、まず対面してお互いを知ることから始めてはどうだろうか。学問を系統発生 phylogenèse の目で見る時、その根には哲学がある。科学者個人の個体発生 ontogenèse にとってもその根を見ることには大きな意味があるように感じている2009年年頭である。



研究環境が精神に与える影響



先日、八杉竜一著「近代進化思想史」(中央公論社、昭和47年3月)を手に取った時、「科学者の思惟の自由について」と題されたところに行き当たった。そこで触れられていることは、最近の私が体で感じていることと共通するところがある。そのポイントは、冒頭で引用されているメチニコフの次の言葉にすべて表れているだろう。メチニコフは言う。

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「実際において、前者(ビュフォン)がボネーと同様にかつて教授となったことなく、それに対してリンネが四半世紀以上も科学の教授者であったことは、興味がある。ビュフォンがいかなる学務の形式にも要求にもとらわれることなく、科学に対してきわめて自由な態度を持したのは、多分このことと関係があるのであろう。」

「講壇から科学を教授し教科書を書いた学者、したがって学派の形式に最大の影響を及ぼした学者の大多数が、ボネーやビュフォンよりもリンネやパラスに頼ることがはるかに多く、概して哲学的一般化よりも体系的杓子定規にいちじるしく傾きがちであったことは、疑えない。」

         メチニコフ著 「種の起原に関する問題の概要」(1876年)

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八杉氏の本では、大学に所属し権威の象徴であったキュビエとほとんど公的機関に属さずに研究をしたラマルクを対比させたり、在野を通したダーウィンを登場させて精神の自由が研究に及ぼす影響について語っている。若き日にダーウィンは家に相当の財産があることを知ってから医学に身を入れなくなったと書かれているが、それ以上に彼の中に物質や名誉に対する執着がなく自由人としての資質を持っていたことが彼の成功に寄与しているのではないかと八杉氏は考えている。

私自身の経験になるが、これまで公的な機関に所属して研究をしてきた時とそのような縛りのない今の精神状態が大きく違うことを感じている。現役の時には研究する上での精神の自由を必要以上に重要なものとして捉えていたつもりであるが、今からみると相当にきつい縛りがかかった状態であったことがわかる。その上で日頃考えていることは、もし今のような精神状態で生命科学の研究をしていたならば、全く違った研究対象や研究のやり方を選んでいたのではないかということである。具体的には、より面白い研究に仕上がっていたのではないか、あるいは独自性や独創性を生み出しやすい状況になったのではないかと思うことしきりなのである。もちろん何も変わらなかったかもしれないが、今のような精神状態での研究生活は理想に近いと思えるのだ。

このような視点から現代の科学を取り巻く環境を見てみると、果たしてその将来は大丈夫なのだろうかと心配になる。さらに現在の科学者が気の毒に見えてくる。それくらい自由な精神を維持しにくい状況にあるように見えて仕方がない。日本のいろいろな場所にオーソドックスなものに囚われない精神を持ったグループが群立するようになると研究の世界にも真の活気が出てくるのだろうが、、、


jeudi 1 janvier 2009

ヒポクラテスの誓い Le serment d'Hippocrate


 ヒポクラテス Hippocrate de Cos 
Image conventionnelle de « portrait » romain en buste
(gravure du 19e siècle)


医を医の側から歴史的に考えるとすれば、ここから入るのが自然なのかもしれない。

ヒポクラテス Hippocrate de Cos (vers 460 av. J.-C dans l'île de Cos – vers 370 av. J.-C à Larissa)

医学の父、医聖とも言われる古代ギリシャのこの医者は、魔術・呪術や哲学と一体になっていた医学をそれとは別の知識体系、技術として新たに確立した。実際のところ、彼の人生や思想についてはよくわかっていない。ただ彼のものとされる膨大な著作に残された体系を作り上げ、今回取り上げる誓いという形で倫理を医に持ち込んだ人とされている。この誓いについてもヒポクラテス自らが書いたものかどうかを疑う声があるらしい。

ヒポクラテスの誓いについては、おそらく学生時代に触れているはずであるが、正直なところその記憶は薄れている。当時の日本では医学概論、医学倫理と言われる領域が未だ確立しておらず、専門家も少なかったため年長の教授が講義をしていた。長い間医の領域に直接関与するところから離れ、科学の視点からものを眺めてきたが、この機会に原点に一度立ち返っておくのは意義があるだろう。改めて白紙の状態で触れ直した時に新たなものが見えてくるだろうし、倫理の面でも大きな反省材料を提供してくれると予想されるからだ。

今回はヒポクラテスの原文とされるものを小川鼎三氏が訳したものを以下に掲げる。参考までに仏英訳も添えた。この誓いは時代に合わせて何度か改変されているが、それらについては後ほど触れることにしたい。

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ヒポクラテスの誓い(小川鼎三訳)

医神アポロン、アスクレピオス、ヒギエイア、パナケイアおよびすべての男神と女神に誓う、私の能力と判断にしたがってこの誓いと約束を守ることを。この術を私に教えた人をわが親のごとく敬い、わが財を分かって、その必要あるとき助ける。その子孫を私自身の兄弟のごとくみて、彼らが学ぶことを欲すれば報酬なしにこの術を教える。そして書きものや講義その他あらゆる方法で私の持つ医術の知識をわが息子、わが師の息子、また医の規則にもとづき約束と誓いで結ばれている弟子どもに分かち与え、それ以外の誰にも与えない。

● 私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない。

● 頼まれても死に導くような薬を与えない。それを覚らせることもしない。同様に婦人を流産に導く道具を与えない。

● 純粋と神聖をもってわが生涯を貫き、わが術を行う。

● 結石を切りだすことは神かけてしない。それを業とするものに委せる。

● いかなる患家を訪れるときもそれはただ病者を利益するためであり、あらゆる勝手な戯れや堕落の行いを避ける。女と男、自由人と奴隷のちがいを考慮しない。

● 医に関すると否とにかかわらず他人の生活について秘密を守る。

● この誓いを守りつづける限り、私は、いつも医術の実施を楽しみつつ生きてすべての人から尊敬されるであろう。もしこの誓いを破るならばその反対の運命をたまわりたい。

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エミール・リトレによる仏訳

Traduction par Émile Littré du serment d'origine


« Je jure par Apollon, médecin, par Esculape, par Hygie et Panacée, par tous les dieux et toutes les déesses, les prenant à témoin que je remplirai, suivant mes forces et ma capacité, le serment et l'engagement suivants :
Je mettrai mon maître de médecine au même rang que les auteurs de mes jours, je partagerai avec lui mon avoir et, le cas échéant, je pourvoirai à ses besoins ; je tiendrai ses enfants pour des frères, et, s'ils désirent apprendre la médecine, je la leur enseignerai sans salaire ni engagement. Je ferai part de mes préceptes, des leçons orales et du reste de l'enseignement à mes fils, à ceux de mon maître et aux disciples liés par engagement et un serment suivant la loi médicale, mais à nul autre. »

« Je dirigerai le régime des malades à leur avantage, suivant mes forces et mon jugement, et je m'abstiendrai de tout mal et de toute injustice. Je ne remettrai à personne du poison, si on m'en demande, ni ne prendrai l'initiative d'une pareille suggestion ; semblablement, je ne remettrai à aucune femme un pessaire abortif. Je passerai ma vie et j'exercerai mon art dans l'innocence et la pureté.

Je ne pratiquerai pas l'opération de la taille.

Dans quelque maison que je rentre, j'y entrerai pour l'utilité des malades, me préservant de tout méfait volontaire et corrupteur, et surtout de la séduction des femmes et des garçons, libres ou esclaves.

Quoi que je voie ou entende dans la société pendant, ou même hors de l'exercice de ma profession, je tairai ce qui n'a jamais besoin d'être divulgué, regardant la discrétion comme un devoir en pareil cas. »

« Si je remplis ce serment sans l'enfreindre, qu'il me soit donné de jouir heureusement de la vie et de ma profession, honoré à jamais des hommes ; si je le viole et que je me parjure, puissè-je avoir un sort contraire. »

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“I swear by Apollo, Asclepius, Hygieia, and Panacea, and I take to witness all the gods, all the goddesses, to keep according to my ability and my judgment, the following Oath.

To consider dear to me, as my parents, him who taught me this art; to live in common with him and, if necessary, to share my goods with him; To look upon his children as my own brothers, to teach them this art.

I will prescribe regimens for the good of my patients according to my ability and my judgment and never do harm to anyone.

I will not give a lethal drug to anyone if I am asked, nor will I advise such a plan; and similarly I will not give a woman a pessary to cause an abortion.

But I will preserve the purity of my life and my arts.

I will not cut for stone, even for patients in whom the disease is manifest; I will leave this operation to be performed by practitioners, specialists in this art.

In every house where I come I will enter only for the good of my patients, keeping myself far from all intentional ill-doing and all seduction and especially from the pleasures of love with women or with men, be they free or slaves.

All that may come to my knowledge in the exercise of my profession or in daily commerce with men, which ought not to be spread abroad, I will keep secret and will never reveal.

If I keep this oath faithfully, may I enjoy my life and practice my art, respected by all men and in all times; but if I swerve from it or violate it, may the reverse be my lot.

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